はじめに
刺繍を始めると、よく目にするのが「2本取り」「3本取り」といった言葉です。
「刺繍糸って、そのまま使うんじゃないの?」
「何本取りにすればいいの?」
「本数が違うと仕上がりはどう変わる?」
と迷う方も多いのではないでしょうか。
一般的によく使われる25番刺しゅう糸は、細い糸が6本まとまって1本になっています。
刺繍するときは、この6本を必要な本数だけ取り分けて使います。
この記事では、1本取り・2本取り・3本取り・6本取りの違いや、それぞれどんな刺繍に向いているのかを初心者向けに分かりやすく解説します。
「○本取り」ってどういう意味?
刺繍でいう「○本取り」とは、何本の細い糸をまとめて針に通して使うかという意味です。
たとえば、
- 1本取り → 細い糸を1本だけ使う
- 2本取り → 2本まとめて使う
- 3本取り → 3本まとめて使う
- 6本取り → 6本すべて使う
ということです。
25番刺しゅう糸は6本の細い糸がまとまっているため、その中から必要な本数を取り分けます。
同じ色の刺繍糸でも、本数を変えるだけで線の太さや立体感、仕上がりの雰囲気がかなり変わります。
25番刺しゅう糸は6本の糸でできている

一般的な25番刺しゅう糸を見ると、太い1本の糸のように見えます。
しかし、よく見ると中には細い糸が6本入っています。
刺繍するときは、必要な本数だけ1本ずつ引き抜いて使います。
初心者の場合、6本をまとめて一気に分けようとすると絡まりやすいため、必要な本数を1本ずつ抜き、それから必要本数を揃えると扱いやすくなります。
1本取り|細く繊細な線を刺したいとき
1本取りは、6本ある糸のうち1本だけを使う方法です。
仕上がりはかなり細く、繊細になります。
1本取りが向いているもの
- 小さな図案
- 細い線
- 細かな文字
- 動物の毛など細かな表現
- 繊細な陰影
- 細部の仕上げ
などです。
細かい部分をきれいに表現できる反面、広い面を埋めるには時間がかかります。
また、初心者の場合は糸が細いため、ステッチの間隔が少しズレただけでも隙間が目立つことがあります。
そのため、最初の練習では1本取りだけにこだわらず、2本取りや3本取りから始めるのもおすすめです。
2本取り|迷ったらまず使いやすい太さ
2本取りは、細い糸を2本まとめて使う方法です。
1本取りより線がはっきりしますが、太すぎないため、さまざまな刺繍に使いやすい太さです。
2本取りが向いているもの
- バックステッチ
- アウトラインステッチ
- 小さめの図案
- 花や葉の輪郭
- 文字
- 細かめのサテンステッチ
- ロングアンドショートステッチ
など。
「何本取りにすればいいか分からない」という場合は、まず2本取りで試してみると仕上がりをイメージしやすいです。
細かさと存在感のバランスが取りやすいため、初心者にも扱いやすい本数です。
3本取り|しっかり色を見せたいとき
3本取りは、細い糸を3本まとめて使う方法です。
2本取りよりも線が太くなり、刺繍糸の色がはっきり見えるようになります。
3本取りが向いているもの
- 花びら
- 葉
- 少し大きめの図案
- 太めの輪郭線
- サテンステッチ
- ワッペン
- はっきりしたデザイン
などです。
初心者が小さめのワッペンやイラスト風の刺繍を作る場合にも使いやすい本数です。
糸にある程度太さがあるため、少ないステッチでも面が埋まりやすく、存在感のある仕上がりになります。
ただし、小さすぎる図案では糸が密集してゴワつくことがあるため、図案のサイズに合わせて2本取りと使い分けるとよいでしょう。
6本取り|太く立体感のある仕上がり
6本取りは、25番刺しゅう糸を分けずに6本すべて使う方法です。
かなり太くなるため、存在感のある線を作れます。
6本取りが向いているもの
- 太いライン
- 大きめの図案
- 飾りステッチ
- 立体感を出したい部分
- 強調したい部分
などです。
ただし、6本取りは糸が太いため、布によっては針を通しにくくなることがあります。
小さな図案や目の詰まった布では扱いにくい場合もあるため、初心者の場合は「常に6本取り」ではなく、必要な部分だけ使うのがおすすめです。
本数によって仕上がりはどう変わる?

同じ図案・同じ刺繍糸でも、本数によって印象が変わります。
1本取り
細く繊細。
細かな表現に向いています。
2本取り
細すぎず太すぎず、バランスが良い。
初心者にも使いやすい本数です。
3本取り
色がはっきりして存在感が出る。
面を埋める刺繍にも使いやすいです。
6本取り
かなり太く、立体的。
強調したいラインなどに向いています。
つまり、
本数が少ないほど繊細に、本数が多いほど太く存在感のある刺繍になる
と覚えておくと分かりやすいです。
初心者は何本取りから始めればいい?
特に指定がない場合、初心者ならまず2本取りまたは3本取りから試すのがおすすめです。
2本取りは細かな刺繍にも使いやすく、3本取りはある程度太さがあるためステッチが見やすくなります。
たとえば、
- 細い輪郭 → 2本取り
- 小さな文字 → 1〜2本取り
- 花びら → 2〜3本取り
- サテンステッチ → 2〜3本取り
- ワッペン → 2〜3本取り
- 太いアクセント → 3〜6本取り
というように考えると選びやすくなります。
ただし、絶対にこの本数でなければならないという決まりはありません。
図案の大きさや布、好みの仕上がりによって変えて大丈夫です。
刺繍糸をきれいに分ける方法

刺繍糸を使うとき、6本の中から2本や3本をまとめて引き抜こうとすると、糸が絡まってしまうことがあります。
初心者の場合は、次の方法がおすすめです。
- 必要な長さに刺繍糸を切る
- 糸の端から1本だけつまむ
- 1本ずつゆっくり引き抜く
- 必要な本数を揃える
- 軽く整えてから針に通す
たとえば3本取りなら、1本ずつ3回抜いて、それを3本まとめて使います。
少し手間に感じますが、この方法の方が糸が絡みにくく、きれいに揃いやすくなります。
刺繍糸はどれくらいの長さに切る?
長く切れば何度も糸を替えなくて済みそうに思えますが、長すぎる刺繍糸は絡まりやすくなります。
初心者なら、腕の長さより少し短い程度を目安にすると扱いやすいです。
おおよそ40〜50cm程度から試して、自分が刺しやすい長さを見つけてみてください。
長く使っているうちに糸が毛羽立ってきたら、無理に最後まで使わず新しい糸に替えると仕上がりもきれいになります。
針の太さも本数に合わせる
使用する糸の本数が変わると、使いやすい針の太さも変わります。
1〜2本取りなら比較的細い針、3本以上なら少し太めの針の方が糸を通しやすくなります。
そのため初心者は、1種類だけの針を買うよりも、複数サイズがセットになったフランス刺しゅう針を用意しておくと便利です。
糸が針穴に入りにくかったり、布を通すときに強く引っ張らないと通らなかったりする場合は、少し太い針に変えてみてください。
何本取りが正解か迷ったら試し刺しをする
刺繍では、図案や布によって最適な本数が変わります。
そのため、迷ったときは本番を始める前に、布の端などで試し刺しするのがおすすめです。
たとえば同じ線を、
- 1本取り
- 2本取り
- 3本取り
で少しずつ刺して比べてみます。
実際に見ると、太さや色の見え方の違いがかなり分かります。
「思っていたより細かった」
「3本だと太すぎた」
といった失敗を減らすことができます。
まとめ
25番刺しゅう糸は、6本の細い糸がまとまってできています。
その中から必要な本数を取り分けて使います。
- 1本取り:細く繊細
- 2本取り:バランスがよく初心者にも使いやすい
- 3本取り:色がはっきりして存在感がある
- 6本取り:太く立体的
という違いがあります。
初心者の場合は、まず2本取りまたは3本取りから試してみると分かりやすいです。
ただし、「このステッチは必ず○本」という決まりではありません。
図案の大きさや布、作りたい雰囲気に合わせて本数を変えながら、自分の好きな仕上がりを探してみてください。



コメント